防犯カメラ
AI人物検知とは?
近年の防犯カメラには、AIを利用して人物や車両などを検知できる機能を搭載した製品があります。
従来の防犯カメラは、
- 映像を常時録画する
- 動きがあったときに録画する
- 管理者が映像を確認する
といった使い方が中心でした。
AI人物検知に対応したカメラでは、映像の中から人物など特定の対象を判別し、
- 人物を検知する
- 指定したエリアへの進入を検知する
- 条件に応じて録画する
- 管理者へ通知する
といった使い方ができる場合があります。
ただし、「AI対応」と書かれている防犯カメラが、すべて同じ機能を備えているわけではありません。
このページでは、AI人物検知の仕組み、従来の動体検知との違い、できること、活用方法、導入時の注意点について解説します。
AI人物検知とは
AI人物検知とは、防犯カメラ映像の中から人物と判断される対象を検知する機能です。
製品によっては、人物だけでなく、
- 車両
- 自転車
- 特定の物体
などを識別できる場合があります。
一般的な動体検知では、「画面内に変化があったか」を基準に検知します。
AI人物検知では、その変化が「人物なのか」を判別することで、より目的に合った検知を行いやすくします。
従来の動体検知との違い
AI人物検知を理解するには、従来の動体検知との違いを確認すると分かりやすくなります。
動体検知
映像内で動きや変化が発生したことを検知します。
たとえば、
- 人が歩いた
- 車が通った
- 木の枝が揺れた
- 雨が降った
- 光が変化した
といった状況でも反応する場合があります。
AI人物検知
映像内の対象を分析し、
「人物として認識できる対象か」
などを判断します。そのため、一般的な動体検知よりも、人物に絞った通知・検索などを行いやすい場合があります。
AI人物検知と動体検知の比較
| 比較項目 | 動体検知 | AI人物検知 |
|---|---|---|
| 主な判断 | 映像内の動き・変化 | 人物など特定対象 |
| 木の揺れ | 反応する場合がある | 除外しやすい場合がある |
| 車両 | 動きとして検知 | 対応製品では車両として分類可能 |
| 通知 | 動きがあるたび発生する場合がある | 人物などに絞れる場合がある |
| 用途 | 一般的な動体検知 | 防犯・侵入検知など |
ただし、AI人物検知でも誤検知が完全になくなるわけではありません。
AI人物検知でできること
製品によって機能は異なりますが、主に次のような使い方があります。
物を検知する
映像内に人物が入ったことを検知します。
たとえば、
- 建物外周
- 駐車場
- 工場
- 倉庫
- 店舗裏口
などで利用できます。
指定エリアへの進入を検知する
画面の中に監視エリアを設定し、その範囲へ人物が入った場合に検知する機能があります。
たとえば、
- フェンス内部
- 資材置き場
- サーバールーム周辺
- 立入禁止エリア
- 建物入口
などです。
指定した時間帯だけ監視する
営業時間外や夜間だけAI検知を有効にできるシステムもあります。
たとえば、
- 22時から翌朝6時
- 店舗閉店後
- 工場休日
など、通常は人がいない時間帯だけ検知する運用ができます。
検知時に録画する
人物などを検知した場合に録画を開始したり、該当部分を検索しやすくしたりできる製品があります。
ただし、事故やトラブル前後を確実に確認したい場合には、常時録画との使い分けも検討します。
管理者へ通知する
AIが人物などを検知した際に、
- スマートフォン
- パソコン
- 管理システム
などへ通知できる製品があります。ただし、通知方法や対応端末は製品・サービスによって異なります。
AI人物検知は不審者そのものを判断する機能ではない
注意したいのが、
「人物を検知すること」と「不審者だと判断すること」は同じではない
という点です。
AI人物検知は、「そこに人物がいる」ことを検知する機能が中心です。
その人物が、
- 従業員
- 来訪者
- 配送業者
- 不審者
のどれであるかまで自動的に正確に判断できるとは限りません。検知後の映像確認や現場対応が必要です。
万引きをAI人物検知だけで判断できる?
一般的なAI人物検知は、万引きを確実に判定する機能ではありません。
人物がいることや、指定エリアへ入ったことを検知できても、「商品を盗もうとしている」という意図まで判断できるわけではありません。
万引き対策では、
- 商品棚
- 出入口
- 死角
- 録画映像
- 店舗スタッフの運用
などと組み合わせます。
徘徊をAIだけで判断できる?
一般的な人物検知では、「その人物が徘徊しているか」を完全に判断できるわけではありません。
ただし、
- 夜間に出入口付近で人物を検知
- 通常立ち入らない場所で人物を検知
- 指定エリアへの進入を通知
など、見守りの補助として利用できる場合があります。
転倒事故をAIで検知できる?
製品によっては姿勢・行動分析など高度な機能を備えたものもありますが、一般的なAI人物検知がそのまま「転倒検知」を意味するわけではありません。
そのため、
「AI人物検知対応だから転倒を検知できる」
とは判断せず、必要な機能が製品仕様に含まれているか確認します。
AI車両検知とは
AI対応カメラには、人物だけでなく車両を検知できる機種もあります。
たとえば、
- 駐車場への車両進入
- 工場門扉への車両進入
- 敷地内への車両進入
などの検知に利用できます。人物検知と車両検知を別々に設定できる製品もあります。
AI人物検知が活用される場所
工場
工場では、
- 夜間の敷地侵入
- 資材置き場
- 搬入口
- 建物外周
などで利用できます。
店舗
店舗では、
- 営業時間外の人物侵入
- 店舗裏口
- 搬入口
- 建物外周
などで利用する場合があります。
オフィス
オフィスでは、
- 営業時間外の出入口
- 倉庫
- サーバールーム周辺
- 重要エリア
などへの人物確認を行う用途があります。
駐車場
駐車場では、人物・車両の検知に利用できる場合があります。夜間の不審者確認などにも活用されます。
介護施設
介護施設では、
- 夜間の共用部
- 出入口
- 指定エリア
などで人物を検知し、見守りの補助に利用する場合があります。
不審者対策にAI人物検知を活用する
不審者対策では、AI人物検知と相性のよいケースがあります。
たとえば、
- 夜間に人物が敷地へ進入
- AIが人物を検知
- 管理者へ通知
- ライブ映像を確認
- 必要に応じて対応
という運用です。
盗難対策にAI人物検知を活用する
工場や倉庫などでは、
- 資材置き場
- 倉庫
- 建物外周
など、通常は夜間に人が入らない場所へ人物が進入した場合に検知する方法があります。
夜間防犯とAI人物検知
AI人物検知は、夜間の防犯対策でも利用されます。
ただし、AIが人物を判別するためには、カメラ映像そのものが適切に撮影できている必要があります。
そのため、
- 赤外線撮影
- 夜間カラー撮影
- 照明
- カメラの設置位置
なども重要です。
AI人物検知と赤外線撮影を組み合わせる
夜間に人物検知を利用する場合は、暗所でも人物を撮影できる必要があります。赤外線撮影などと組み合わせることで、夜間の人物検知に対応できる製品があります。
ただし、
- 撮影距離
- 赤外線の照射範囲
- 人物の大きさ
などによって検知精度が変わる可能性があります。
AI人物検知と夜間カラー撮影を組み合わせる
夜間カラー撮影に対応したカメラであれば、
- 人物の衣服
- 車両の色
などを確認しやすくなる場合があります。AI検知で人物を見つけ、録画映像をカラーで確認するという使い方も考えられます。
AI人物検知の誤検知
AI人物検知でも、誤検知が完全になくなるわけではありません。
設置環境によっては、
- 雨
- 雪
- 植栽
- 影
- 光
- 反射
- 動物
などの影響を受ける場合があります。また、人物が非常に小さく映る場合や一部しか映らない場合には、正しく検知できない可能性があります。
誤検知を減らすためのポイント
検知エリアを絞る
必要な場所だけをAI検知対象にします。
検知する時間帯を決める
人が多い営業時間中ではなく、夜間などに限定します。
カメラの向きを調整する
道路や樹木など、不要な動きが多い場所をできるだけ避けます。
感度を調整する
設定可能な製品では、現場に合わせて感度などを調整します。
通知が多すぎる問題にも注意する
AI人物検知を導入しても、通知が頻繁に届くと管理者が確認しなくなる可能性があります。
たとえば、
- 従業員が通るたび通知
- 配送業者が来るたび通知
- 周辺道路の人物を検知
という状態では運用負担が大きくなります。
そのため、
- エリア
- 時間帯
- 通知条件
を調整することが重要です。
AI検知と録画の組み合わせ
AI人物検知の使い方は通知だけではありません。
製品によっては、
- 検知した場面を録画
- 検知場面を一覧表示
- 人物が映った時間だけ検索
など、録画映像を探しやすくする機能があります。長時間の映像から人物が映った場面を探す手間を減らせる場合があります。
常時録画とAI検知録画の違い
常時録画
24時間継続して映像を保存します。事故やトラブル発生前後を確認しやすい方法です。
AI検知を利用した録画
条件に該当したときに録画する構成があります。保存容量を抑えられる場合がありますが、必要な場面が検知対象外になる可能性も考慮します。用途に応じて選びます。
AI人物検知とクラウド録画
クラウドカメラでは、AI分析とクラウド録画を組み合わせたサービスもあります。
たとえば、
- AI検知
- スマートフォン通知
- クラウド録画
- 遠隔閲覧
をまとめて利用できる場合があります。ただし、サービスごとに機能・料金が異なります。
AI人物検知はカメラ側と録画機側のどちらで処理する?
AI処理の方式は製品によって異なります。
たとえば、
- カメラ本体でAI分析する
- 録画機側でAI分析する
- クラウド側で分析する
などがあります。そのため、既存カメラへ録画機だけ追加すればAI機能を使える場合もあれば、AI対応カメラが必要な場合もあります。導入前にシステム構成を確認します。
既存の防犯カメラをAI化できる?
既存システムによっては、
- AI対応録画機へ交換する
- AI解析サービスを追加する
などで機能を追加できる場合があります。
一方、既存カメラの仕様によっては対応できない場合もあります。
- カメラ方式
- 解像度
- 録画機
- ネットワーク
などを確認します。
AI人物検知にはどの程度の画質が必要?
AIが対象を検知するためには、人物などが映像内で十分な大きさで映っていることが重要です。カメラから非常に遠い場所の人物が数ピクセル程度しか映っていない場合、検知しにくくなる可能性があります。
そのため、
- カメラの解像度
- 撮影距離
- レンズ
- 画角
を確認します。
AI人物検知とカメラ台数
AI機能を利用しても、カメラの死角をなくすことはできません。壁、柱、商品棚などによって見えない場所は、AIでも検知できません。
そのため、「AIカメラだから台数を減らせる」と単純に考えるのではなく、必要な撮影場所から台数を決めます。
AI人物検知を導入するときの費用
AI機能を利用する場合、
- AI対応カメラ
- AI対応録画機
- クラウドサービス
- ライセンス
などの費用が必要になる場合があります。
一般的な防犯カメラより高価格になる場合があるため、
本当にAI機能が必要な場所か
を整理することが重要です。
すべてのカメラをAI対応にする必要はない
施設内のすべてのカメラにAI人物検知が必要とは限りません。
たとえば、
AI検知を利用するカメラ
建物外周、裏口、資材置き場。
通常録画だけ行うカメラ
店舗内部、共用通路、全体監視。
というように使い分ける方法があります。必要な場所だけAI機能を利用することで、コストと運用負担を調整できます。
AI人物検知を導入する際のチェックリスト
導入前には、次の項目を確認します。
- 1. AIを導入する目的
- 2. 人物を検知したい場所
- 3. 車両検知も必要か
- 4. 検知エリアを指定できるか
- 5. 時間帯指定ができるか
- 6. 通知が必要か
- 7. 通知先
- 8. 誤検知への対応
- 9. 夜間利用の有無
- 10. 夜間撮影性能
- 11. 必要な画質
- 12. 撮影距離
- 13. AI処理をどこで行うか
- 14. カメラ側AIか
- 15. 録画機側AIか
- 16. クラウドAIか
- 17. 録画との連携
- 18. 遠隔閲覧
- 19. 月額料金の有無
- 20. 既存設備との互換性
AI機能は、「AI搭載」という名称だけで選ばず、何をどのように検知したいかを具体的にして選ぶことが重要です。
AI人物検知は「必要な場面だけを見つける」ための技術
AI人物検知のメリットは、防犯カメラ映像の中から人物など必要な対象を見つけやすくできることです。
一方で、
- 犯罪を必ず判断する
- 不審者を完全に見分ける
- 万引きを確実に検知する
- 転倒事故を必ず発見する
という技術ではありません。AIを過信せず、
カメラ配置・録画・通知・現場対応を組み合わせること
が重要です。
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