防犯カメラ
徘徊・見守り対策に効果的なカメラ
介護施設や高齢者施設では、利用者の徘徊や施設外への外出、夜間の移動などを把握するため、防犯カメラや見守りカメラを活用する場合があります。
カメラを利用することで、
- 利用者がどの方向へ移動したのか
- いつ出入口を通ったのか
- 廊下や共用部をどのように移動したのか
- 事故や転倒の前後にどのような状況だったのか
などを確認する際の情報になります。
一方、カメラは利用者を常時監視するための設備ではありません。
介護施設は利用者にとって生活の場でもあるため、
- 何を目的として撮影するのか
- どこへ設置するのか
- どの範囲まで撮影するのか
- 誰が映像を確認するのか
- どのくらい保存するのか
を整理し、安全管理とプライバシーの両方に配慮して運用することが重要です。
このページでは、徘徊・見守り対策としてカメラを導入する場合の設置場所、必要な機能、AI人物検知、通知、夜間撮影、録画、運用上の注意点について解説します。
徘徊・見守り対策におけるカメラの役割
徘徊・見守り対策では、主に次のような用途でカメラが利用されます。
- 利用者の移動状況の確認
- 施設出入口の確認
- 夜間の移動確認
- 共用部の状況確認
- 施設外へ出た時間・方向の確認
- 転倒・事故発生時の状況確認
- AI人物検知などによる補助的な見守り
カメラは職員による介護や巡回、直接の見守りを代替するものではありません。
ナースコール、各種センサー、入退室設備、職員による巡回などと組み合わせて利用します。
徘徊対策では「人の動線」から考える
徘徊・外出への対策では、カメラを施設内へ広く設置することよりも、利用者がどのように移動する可能性があるかを整理することが重要です。
たとえば、
居住エリア → 廊下 → エレベーター・階段 → エントランス → 施設外
という動線があります。
この流れの中で、
- 必ず通る場所
- 行き先が分かれる場所
- 施設外へつながる場所
を中心にカメラを配置すると、移動状況を確認しやすくなります。
徘徊・見守り対策で設置を検討する主な場所
施設出入口
施設外へ出る際に通る重要な場所です。
利用者が、
- 何時に出入口を通ったか
- どの方向へ移動したか
- 誰と一緒だったか
などを確認する際に役立つ場合があります。
エントランス・受付周辺
来訪者だけでなく、利用者が施設外へ向かう際にも通る場所です。施設全体の入退館確認という意味でも重要なポイントです。
廊下
利用者が日常的に移動する場所です。
特に、
- 長い廊下
- 曲がり角
- 複数方向へ分かれる場所
- エレベーターにつながる場所
などを確認します。
エレベーターホール
フロア間を移動する際の重要な場所です。利用者がどの階へ移動したのかを確認する際にも役立つ場合があります。
階段周辺
階段を利用してフロア間を移動できる施設では、必要に応じて設置を検討します。転倒事故への注意も必要な場所です。
共用スペース
ラウンジや食堂など、多くの利用者が集まる場所では、見守りや事故発生時の状況確認に利用される場合があります。
建物外周
施設外へ出た利用者が、どの方向へ移動したのかを確認する目的で設置する場合があります。
駐車場・送迎スペース
利用者、家族、職員、車両などが行き交うため、施設出入口との動線を確認する場合があります。
居室へのカメラ設置は慎重に検討する
徘徊・見守り対策として居室へのカメラ設置を検討するケースもあります。
しかし、居室は利用者にとって生活の中心となるプライベートな空間です。
そのため、
- カメラが本当に必要なのか
- 他の見守り方法で対応できないか
- どの範囲を撮影するのか
- 誰が映像を見るのか
- 録画する必要があるのか
などを慎重に検討します。
単に「見守りができるから」という理由だけで、すべての居室へカメラを設置するという考え方ではなく、必要性を個別に検討することが重要です。
入浴・排泄に関係する場所は特に慎重に考える
浴室、脱衣所、トイレなどは、利用者のプライバシーに大きく関係する場所です。
こうした場所では、一般的な共用部と同じ考え方でカメラを設置するのではなく、必要性そのものを慎重に判断します。
必要に応じて、
- 人感センサー
- 離床センサー
- ドアセンサー
- ナースコール
など、映像を使用しない方法で安全を確認できないかも検討します。
見守りカメラと防犯カメラの違いを考える
「見守りカメラ」と「防犯カメラ」という名称が使われますが、重要なのは名称ではなく利用目的です。
防犯を目的とする場合
- 不審者
- 施設への侵入
- 出入口
- 建物外周
などを確認します。
見守りを目的とする場合
- 利用者の移動
- 共用部の状況
- 夜間の動き
- 転倒・事故発生時の状況
などを確認します。
ひとつのシステムで両方の目的に利用する場合でも、カメラごとの役割を明確にしておくことが重要です。
カメラは何台必要?
必要なカメラ台数は、入居者数だけでは決まりません。
たとえば、
- 建物の広さ
- フロア数
- 出入口の数
- 廊下の形状
- エレベーター
- 階段
- 共用スペース
- 建物外周
などによって異なります。
基本的には、
- 1. 見守りが必要な課題を整理する
- 2. 利用者の動線を確認する
- 3. 重要な分岐点を確認する
- 4. 出入口を確認する
- 5. 死角を確認する
- 6. 必要なカメラ台数を決める
という順番で考えます。
・防犯カメラは何台必要?設置台数と配置の考え方
死角を確認する
介護施設には、
- 柱
- 壁
- 家具
- パーテーション
- 曲がり角
などがあり、カメラから見えない場所が発生します。
徘徊・見守り対策では、すべての死角を完全になくすことよりも、
利用者の移動経路を追ううえで重要な場所が死角になっていないか
を確認することが重要です。
必要な画質・画角を考える
徘徊・見守りでは、必ずしも最高解像度のカメラが必要とは限りません。重要なのは、何を確認したいかです。
利用者の移動方向を見る
人物がどちらへ移動したのかを確認できる画角が必要です。
出入口で人物を確認する
人物が十分な大きさで映る位置を検討します。
事故発生時の状況を確認する
利用者と周囲の設備や人の動きを確認できる画角を考えます。
・防犯カメラの画素数・解像度の選び方|4Kは必要?
夜間の見守りでは暗所撮影性能を確認する
介護施設では、夜間に照明を落とす場所があります。
そのため、昼間に十分な映像が確認できても、夜間には人物が見えにくくなる場合があります。
夜間撮影では、
- 常夜灯
- 室内照明
- 赤外線撮影
- 低照度撮影
- 夜間カラー撮影
などを確認します。
ただし、見守り目的の場合は、利用者の睡眠環境なども考え、照明を防犯カメラのためだけに必要以上に明るくするのではなく、環境に合った撮影方法を検討します。
・夜間カラー撮影とは?暗所でも鮮明に映る仕組み
AI人物検知を見守りに活用する
AIを利用して人物を検知できるカメラがあります。
たとえば、
- 夜間に指定エリアへ人物が入った
- 出入口周辺で人物を検知した
- 通常は人が通らない場所で人物を検知した
などの状況を把握する補助として利用できる場合があります。
ただし、AI人物検知が「徘徊している人を完全に判断する」ものとは限りません。
導入前には、
- 何を検知できるのか
- どこまでエリア設定できるか
- 時間帯を設定できるか
- 通知方法
- 録画との連携
などを確認します。
・AI人物検知とは?防犯カメラでできることを解説
AI検知と通知を組み合わせる
システムによっては、人物を検知した際に管理者などへ通知できる場合があります。
たとえば、
- 1. 夜間に施設出入口付近で人物を検知する
- 2. 職員へ通知する
- 3. カメラ映像を確認する
- 4. 必要に応じて現場を確認する
という運用が考えられます。
ただし、通知が多すぎると職員の負担になる可能性があります。
そのため、
- 通知する時間帯
- 検知する場所
- 検知感度
- 通知先
などを実際の施設運用に合わせて調整します。
カメラとセンサーを組み合わせる
徘徊・見守りでは、防犯カメラだけでなく、
- ドアセンサー
- 人感センサー
- 離床センサー
- ナースコール
- 入退室管理
などを組み合わせる方法があります。
たとえば、センサーで異常を検知し、その後カメラ映像を確認することで、常にモニターを見続ける必要を減らせる場合があります。
リアルタイム確認と録画確認を分ける
見守りカメラの利用方法には、大きく2つあります。
リアルタイムで確認する
現在の状況を職員が確認します。たとえば、出入口付近に利用者がいるかなどを確認します。
後から録画を確認する
利用者が施設内で見当たらない場合や、事故が発生した場合に、過去映像から移動経路を確認します。施設でどちらの運用が必要なのかを整理します。
徘徊が分かったときに移動経路を追えるようにする
利用者が見当たらない場合、複数のカメラ映像から移動経路を確認することがあります。
その場合、
- 廊下
- エレベーター
- エントランス
- 建物外周
などの時系列を追います。
そのため、複数台のカメラを設置する場合は、各映像の日時が正確に合っていることも重要です。
録画保存期間を決める
見守りカメラでは、映像を必要以上に長期間保存すればよいわけではありません。
一方、保存期間が短すぎると、
- 事故について後日確認する
- 家族から後日問い合わせがある
- 職員が後から状況を確認する
といった場合に映像が残っていない可能性があります。
保存期間は、
- 利用目的
- 事故・トラブルの報告時期
- カメラ台数
- 解像度
- HDD容量
- 録画方式
などから検討します。
・防犯カメラの録画保存期間|何日残すべき?
録画機とクラウド録画
映像を保存する方法には、録画機とクラウドなどがあります。
録画機
施設内にNVRなどを設置し、HDDへ映像を保存します。
クラウド録画
インターネット経由で映像を保存します。
複数施設を運営している場合など、離れた場所から映像を確認できるシステムもあります。
一方、利用者の生活映像を扱うため、遠隔閲覧の利便性だけでなく、アクセス管理やセキュリティも重要です。
・クラウド録画と録画機の違い|どちらを選ぶべき?
誰が映像を確認できるか決める
見守りカメラには、施設利用者や職員、家族などが映る可能性があります。
そのため、
- 施設長
- 管理責任者
- 必要な職員
など、業務上必要な人へ閲覧権限を限定します。
あわせて、
- ID・パスワード
- 録画機へのアクセス
- 映像データの持ち出し
- 外部への提供
- データの削除
などのルールも整理します。
家族が映像をいつでも見られる仕組みとは分けて考える
施設内の安全管理用カメラと、家族が利用者の様子を見るための映像配信は、目的が異なります。安全管理用として取得した映像を、そのまま家族向けライブ配信に使用するとは限りません。
家族への映像提供を行う場合には、
- 誰が閲覧できるのか
- 他の利用者が映らないか
- ID・パスワードをどう管理するか
- 録画するのか
- 映像を保存できるのか
などを別途検討する必要があります。
利用者のプライバシーと尊厳に配慮する
徘徊・見守り対策では、安全性を高めることが重要ですが、利用者にとって施設は生活の場です。
そのため、
- 必要な場所を撮影する
- 必要以上に広い範囲を撮影しない
- 閲覧者を限定する
- 利用目的を明確にする
- 保存期間を設定する
など、プライバシーに配慮して運用します。
特に居室など生活の中心となる空間は、共用廊下や出入口とは分けて考えることが重要です。
職員への説明も重要
見守りカメラには職員も映ります。
そのため、
- 何の目的で設置するのか
- どこを撮影するのか
- 誰が映像を見るのか
- どのような場合に録画を確認するのか
を施設内で共有しておくことが重要です。
見守り・安全管理用として導入した映像を、当初の目的と関係なく常時職員評価などへ利用するような運用は慎重に検討する必要があります。
ネットワークカメラではセキュリティも確認する
遠隔閲覧やクラウド録画を利用する場合は、不正アクセスへの対策も重要です。
導入時には、
- 初期パスワードを変更する
- 閲覧アカウントを限定する
- 強固なパスワードを設定する
- 不要なアカウントを削除する
- 機器を適切に管理する
などを行います。
利用者の映像を扱う設備だからこそ、カメラ自体のセキュリティにも注意します。
転倒事故への対応もあわせて考える
徘徊・移動中には、転倒などが発生する可能性もあります。
そのため、廊下やエレベーターホールなどでは、
- 移動経路
- 転倒前の状況
- 周囲の人の動き
- 事故後の対応
を確認できる配置を検討する場合があります。
・転倒・事故対策に役立つ防犯カメラの活用方法
防犯カメラだけで徘徊対策を完結させない
徘徊・見守り対策では、防犯カメラだけではなく、
- 職員による見守り
- 巡回
- 入退室管理
- ドアセンサー
- ナースコール
- 各種見守りセンサー
- 施設内の環境整備
などを組み合わせます。
カメラは、利用者の安全を支える仕組みのひとつとして考えることが重要です。
防犯カメラの設置工事
介護施設への設置では、
- 天井・壁へのカメラ取付け
- 配線
- 録画機設置
- ネットワーク設定
- 画角調整
- AI検知範囲の設定
- 録画設定
- 動作確認
などを行います。
利用者が生活している施設であるため、
- 工事時間
- 利用者の動線
- 配線の安全性
- 機器の落下防止
- 利用者が触れにくい位置
などにも配慮します。
・防犯カメラの設置工事|流れと費用の目安
徘徊・見守りカメラの費用は何で変わる?
費用は、カメラ本体の価格だけでは決まりません。
主な項目には、
- カメラ本体
- 録画機
- HDD
- ネットワーク機器
- 配線
- 設置工事
- AI機能
- クラウド利用料
- 保守
などがあります。
さらに、
- フロア数
- 出入口の数
- カメラ台数
- 配線距離
- 夜間撮影
- 保存期間
- 遠隔閲覧
などによって構成が変わります。
・防犯カメラの設置費用はいくら?相場と内訳を解説
設置後は定期的に確認する
徘徊や事故が発生した際に必要な映像を確認できるよう、日常的な点検も重要です。
定期的に、
- カメラが映っているか
- 録画されているか
- 過去映像を再生できるか
- 日時が正しいか
- 夜間映像が確認できるか
- カメラの向きがずれていないか
- AI検知・通知が想定どおり動いているか
などを確認します。
・防犯カメラの保守・メンテナンスサービス
徘徊・見守りカメラ導入で注意したいこと
カメラを職員による見守りの代わりにしない
カメラは安全管理を補助する設備です。
施設全体を撮影することを目的にしない
利用者の動線や安全上重要な場所から設置位置を決めます。
居室への設置は慎重に考える
生活空間であることを踏まえて必要性を検討します。
プライバシー性の高い場所は特に慎重に扱う
映像以外の見守り方法も検討します。
AIだけに頼らない
AIは補助機能として利用し、通知後の対応を決めます。
夜間映像を確認する
昼間だけではなく、実際の夜間環境も確認します。
映像を閲覧できる人を限定する
利用者の映像を適切に管理します。
徘徊・見守りカメラ導入前チェックリスト
導入前には、次の項目を整理すると計画しやすくなります。
- 1. 見守りカメラの導入目的
- 2. 徘徊・外出への課題
- 3. 施設出入口
- 4. エントランス
- 5. 廊下
- 6. エレベーターホール
- 7. 階段周辺
- 8. 共用スペース
- 9. 建物外周
- 10. 利用者の主な動線
- 11. 死角
- 12. 必要なカメラ台数
- 13. 必要な画質
- 14. 夜間撮影の必要性
- 15. AI人物検知の必要性
- 16. 通知機能の必要性
- 17. センサーとの連携
- 18. 録画保存期間
- 19. 録画機・クラウドの選択
- 20. 遠隔閲覧の必要性
- 21. 映像を閲覧する担当者
- 22. 利用者のプライバシーへの配慮
- 23. 家族への説明
- 24. 職員への説明
- 25. ID・パスワード等の管理
- 26. 設置後の保守・点検
徘徊・見守り対策では、「利用者を常に撮影する」ことではなく、「安全上重要な移動経路を必要な範囲で確認できるようにする」ことを基準に設計することが重要です。
関連情報
徘徊・見守り対策としてカメラを導入する場合は、介護施設全体の導入、転倒事故、AI検知、夜間撮影、録画管理などもあわせて確認します。
さらに詳しく確認したい内容に合わせて、以下のページをご覧ください。
課題別の防犯カメラ活用を確認する
・防犯カメラによる課題解決一覧|防犯・事故防止・見守り
介護施設への防犯カメラ導入全体を確認する
・介護施設向け防犯カメラ|徘徊・転倒事故対策
転倒・事故対策について確認する
・転倒・事故対策に役立つ防犯カメラの活用方法
AI人物検知について確認する
・AI人物検知とは?防犯カメラでできることを解説
夜間撮影について確認する
・夜間カラー撮影とは?暗所でも鮮明に映る仕組み
必要なカメラ台数について確認する
・防犯カメラは何台必要?設置台数と配置の考え方
録画保存期間について確認する
・防犯カメラの録画保存期間|何日残すべき?
設置工事について確認する
・防犯カメラの設置工事|流れと費用の目安
防犯カメラ全体について確認する
・防犯カメラ導入ガイド|設置・費用・選び方を徹底解説
- 防犯カメラのサービス一覧
- 防犯カメラの設置工事
- 防犯カメラの販売
- 防犯カメラレンタル
- 防犯カメラのリース
- 防犯カメラの保守
- 防犯カメラ設置込みパッケージ
- 工場向け防犯カメラ販売
- 店舗向け防犯カメラ販売
- 工事現場向け防犯カメラレンタル
- イベント会場向け防犯カメラレンタル
- 防犯カメラ短期レンタル
- 業種別の防犯カメラ導入ガイド
- 工場の防犯カメラ導入ガイド
- 店舗向け防犯カメラ導入ガイド
- 駐車場の防犯カメラ設置
- マンション・アパートの防犯カメラ
- 保育園・幼稚園向け防犯カメラ
- 介護施設向け防犯カメラ
- オフィス向け防犯カメラ
- 防犯カメラによる課題解決一覧
- 盗難対策に効果的な防犯カメラ
- 万引き対策に効果的な防犯カメラ
- 不審者対策に強い防犯カメラ
- 当て逃げ対策に有効な防犯カメラ
- 転倒・事故対策に役立つ防犯カメラ
- 徘徊・見守り対策に効果的なカメラ
- 夜間の防犯対策に強いカメラ