防犯カメラ
防犯カメラの技術解説
近年の防犯カメラには、映像を撮影するだけでなく、
- AIによる人物検知
- クラウド録画
- 夜間カラー撮影
- PoE給電
- 高解像度撮影
- 遠隔閲覧
- 長時間録画
など、さまざまな技術が利用されています。
ただし、機能が多ければ多いほどよいわけではありません。
防犯カメラを選ぶ際には、
- 何を撮影したいのか
- 昼間・夜間のどちらで使うのか
- 人物・車両のどちらを確認するのか
- どこへ映像を保存するのか
- 何日間録画を残すのか
- 遠隔から確認する必要があるのか
といった目的から、必要な技術を選ぶことが重要です。
このページでは、防犯カメラで利用されるAI人物検知、クラウド録画、夜間撮影、PoE、録画保存、解像度などの主な技術を整理してご紹介します。
防犯カメラの主な技術
防犯カメラを検討する際に知っておきたい主な技術には、次のようなものがあります。
| 技術・機能 | 主な役割 |
|---|---|
| AI人物検知 | 人物などを検知して録画・通知などに活用 |
| クラウド録画 | インターネット経由で映像を保存 |
| 夜間撮影 | 暗い場所でも人物・車両などを確認 |
| PoE | LANケーブルで通信と給電をまとめる |
| 録画保存 | 必要な期間まで映像を保存 |
| 解像度 | 人物・車両などをどこまで詳しく確認できるかに関係 |
それぞれ役割が異なるため、導入目的に合わせて組み合わせます。
AI人物検知とは
AI人物検知は、防犯カメラ映像の中から人物などを検知する技術です。
従来の動体検知では、
- 木の揺れ
- 光の変化
- 雨
- 動物
などにも反応する場合があります。
AIを利用した製品では、人物など特定の対象を識別して検知できる場合があります。
AI人物検知でできること
製品によって異なりますが、たとえば、
- 人物を検知する
- 指定エリアへの人物進入を検知する
- 指定時間帯だけ検知する
- 検知時に録画する
- 管理者へ通知する
などの機能があります。
AIならすべて自動で判断できるわけではない
「AI搭載」と書かれていても、すべてのカメラが同じ機能を持っているわけではありません。
また、
- 不審者であるか
- 万引きであるか
- 徘徊しているか
- 転倒事故が発生したか
を必ず正確に判断できるとは限りません。
AIは防犯・見守りを補助する機能として利用します。
・AI人物検知とは?防犯カメラでできることを解説
AI人物検知についてはこちら
クラウド録画とは
クラウド録画は、防犯カメラ映像をインターネット経由でクラウド側へ送信し、保存する方式です。
一般的には、
防犯カメラ → ネットワーク → インターネット → クラウド
という流れで映像を保存します。
クラウド録画の主な特徴
- 遠隔から映像を確認しやすい
- 複数拠点を管理しやすい場合がある
- 現地へ録画機を置かない構成もある
- 保存期間をサービスプランから選ぶ場合がある
一方で、
- インターネット環境
- 月額料金
- 通信障害時の動作
などを確認する必要があります。
・クラウド録画とは?メリット・デメリットを解説
クラウド録画についてはこちら
クラウド録画とNVRはどちらがよい?
映像保存には、クラウドだけでなくNVRなどの録画機を利用する方法もあります。
クラウド録画
遠隔管理・複数拠点管理などに向く場合があります。
NVR
施設内へ録画機を設置し、HDDへ映像を保存します。
どちらを選ぶかは、
- カメラ台数
- 保存期間
- 通信環境
- 月額費用
- 遠隔閲覧
などによって異なります。
・クラウド録画と録画機の違い|どちらを選ぶべき?
クラウド録画と録画機の違いはこちら
夜間撮影とは
夜間や照明の少ない場所では、昼間と同じ条件で撮影することはできません。
そのため防犯カメラには、
- 赤外線撮影
- 低照度撮影
- 夜間カラー撮影
などの技術があります。
赤外線撮影
赤外線LEDなどを利用し、暗い環境でも人物 or 物体を確認できるようにする方式です。
暗所では白黒映像になる機種が一般的です。
たとえば、
- 駐車場
- 建物外周
- 倉庫
- 通用口
などで利用されます。
夜間カラー撮影
少ない光でもカラー撮影できるカメラや、補助照明を利用してカラー撮影する機種があります。
カラー映像では、
- 衣服の色
- 車両の色
- 持ち物の色
などを確認しやすくなる場合があります。ただし、完全な暗闇でも必ずカラー撮影できるわけではありません。
・夜間カラー撮影とは?暗所でも鮮明に映る仕組み
夜間カラー撮影はこちら
夜間撮影では照明環境も重要
高性能なカメラを設置しても、
- 外灯
- 車両ヘッドライト
- 看板照明
- 建物照明
などによって映像が大きく変わります。そのため、夜間撮影ではカメラ性能だけでなく、設置場所の照明環境を確認します。
・夜間の防犯対策に強いカメラ|暗所監視のポイント
夜間の防犯対策に強いカメラはこちら
PoEとは
PoEは「Power over Ethernet」の略で、LANケーブルを利用して通信と給電をまとめる技術です。
対応する、
- ネットワークカメラ
- PoEスイッチ
- NVR
などを組み合わせて利用します。
PoEを利用するメリット
配線をまとめやすい
通信と電源をLANケーブルでまとめられるため、カメラごとにコンセントを用意しなくてもよい構成にできる場合があります。
ネットワークカメラとの相性がよい
IPカメラを複数台設置する場合に利用されます。
電源を集中管理しやすい
PoEスイッチやNVR側から給電する構成にできます。
・PoE配線とは?防犯カメラ設置でのメリット・注意点
PoE配線についてはこちら
PoEなら配線工事が不要になるわけではない
PoEでは電源と通信をまとめられますが、LANケーブルそのものは必要です。
そのため、
- 天井裏
- 壁内
- 屋外
- 複数階
などへの配線工事が必要になる場合があります。「PoEだから無線になる」ということではありません。
防犯カメラの録画保存期間
防犯カメラでは、「どれくらい高画質に撮るか」だけでなく、
「何日間残すか」
も重要です。
たとえば、
- 盗難に数日後に気付く
- 当て逃げが後日判明する
- 事故について後から確認する
場合があります。必要なときに映像がすでに上書きされていると、確認できません。
録画保存期間を左右する要素
主に、
- カメラ台数
- 解像度
- フレームレート
- 圧縮方式
- HDD容量
- 録画方式
などによって変わります。
・防犯カメラの録画保存期間|何日残すべき?
録画保存期間はこちら
常時録画とイベント録画
録画方法にも違いがあります。
常時録画
24時間継続して録画する方法です。事故やトラブル発生前後を確認しやすい一方、保存容量が大きくなります。
イベント録画
動体検知やAI検知などを利用し、特定の条件で録画する方法です。保存容量を抑えやすい一方、検知条件が適切でなければ必要な場面が録画されない可能性があります。施設の目的に合わせて選びます。
防犯カメラの解像度とは
解像度は、映像をどの程度細かく記録できるかに関係する要素です。
防犯カメラでは、
- フルHDクラス
- それ以上の高解像度
- 4K
などさまざまな製品があります。
高画素なら必ずよいとは限らない
高解像度のカメラでも、
- 対象まで遠い
- 人物が小さく映る
- カメラの向きが適切でない
- 夜間に暗すぎる
場合は、必要な情報を確認できないことがあります。そのため、
解像度 + 撮影距離 + 画角 + 照明
を組み合わせて考えます。
・防犯カメラの画素数・解像度の選び方|4Kは必要?
画素数・解像度の選び方はこちら
4K防犯カメラは必要?
4Kなど高解像度のカメラは、
- 広範囲を撮影したい
- 映像を拡大して確認したい
- 人物・車両などを詳しく見たい
場合に検討されます。一方で、高解像度になるほどデータ量も増えます。
そのため、
- HDD容量
- ネットワーク帯域
- クラウド通信量
なども合わせて考える必要があります。
遠隔閲覧とは
ネットワーク対応の防犯カメラでは、スマートフォンやパソコンから遠隔で映像を確認できるシステムがあります。
たとえば、
- 本社から店舗を確認
- 管理会社からマンションを確認
- 外出先から工場を確認
といった用途があります。
遠隔閲覧ではセキュリティも重要
便利な機能ですが、
- ID
- パスワード
- アクセス権限
- 利用端末
などを適切に管理する必要があります。必要な担当者だけが映像を確認できるようにします。
Wi-Fiカメラとは
無線LANへ接続するカメラもあります。
LANケーブルを引かず通信できる場合がありますが、一般的にはカメラを動作させるための電源が必要です。
また、
- Wi-Fi電波
- 壁
- 距離
- 他の無線機器
- 通信混雑
などの影響を受ける可能性があります。
有線と無線はどちらがよい?
有線
- 通信を安定させやすい
- PoEを利用できる構成がある
- 配線工事が必要
無線
- LAN配線を減らせる場合がある
- Wi-Fi環境が必要
- 電波状況の確認が必要
- 電源は別途必要な場合が多い
設置環境に合わせて選びます。
防水・防塵性能
屋外カメラでは、
- 雨
- ほこり
- 風
- 温度
などの影響を受けます。そのため、設置場所に適した防水・防塵性能を確認します。「屋外用」と書かれているかだけではなく、具体的な製品仕様を確認することが重要です。
逆光補正などの映像処理
出入口などでは、屋内と屋外の明るさが大きく異なる場合があります。そのため、逆光など明暗差への補正機能を持つカメラがあります。
たとえば、
- 店舗入口
- オフィス入口
- マンションエントランス
などでは、人物が暗く映らないように設置方向やカメラ性能を確認します。
防犯カメラの技術は組み合わせて考える
実際のシステムでは、ひとつの技術だけを使用するわけではありません。
たとえば、
AI人物検知 + 夜間撮影 + クラウド録画
という構成もあります。また、
高解像度カメラ + PoE + NVR
という構成もあります。導入目的から必要な機能を組み合わせます。
不審者対策で利用する技術
不審者対策では、
- AI人物検知
- 夜間撮影
- 遠隔閲覧
- 通知
などを組み合わせる場合があります。
・不審者対策に強い防犯カメラ|侵入防止のポイント
不審者対策に強い防犯カメラはこちら
盗難対策で利用する技術
盗難対策では、
- 高解像度撮影
- 夜間撮影
- AI人物検知
- 長期間録画
などを検討します。
・盗難対策に効果的な防犯カメラの選び方と設置方法
盗難対策の防犯カメラはこちら
当て逃げ対策で利用する技術
駐車場では、
- 高解像度
- 夜間性能
- 車両撮影
- 長期間録画
などが重要になります。
・当て逃げ対策に有効な防犯カメラの設置と運用方法
当て逃げ対策の防犯カメラはこちら
徘徊・見守りで利用する技術
介護施設などでは、
- AI人物検知
- 夜間撮影
- 通知
- 遠隔閲覧
などを活用できる場合があります。ただし、カメラは職員による見守りを代替する設備ではありません。
・徘徊・見守り対策に効果的なカメラの選び方
徘徊・見守り対策に効果的なカメラはこちら
技術だけで防犯カメラを選ばない
防犯カメラを比較すると、
- AI対応
- 4K
- クラウド
- 夜間カラー
- PoE
などの機能が目立ちます。
しかし、重要なのは、
その機能が自社・施設に必要か
という点です。
たとえば、明るい室内だけを撮影する場合、高性能な夜間撮影機能は必要ないことがあります。逆に夜間の駐車場を撮影する場合は、単に高画素なだけでは十分でない場合があります。
必要な技術を選ぶためのチェックリスト
導入前には、次の内容を整理します。
- 1. 防犯カメラの導入目的
- 2. 撮影する対象
- 3. 人物・車両のどちらを確認するか
- 4. 屋内・屋外
- 5. 昼間・夜間
- 6. 必要な画質
- 7. 撮影距離
- 8. AI人物検知の必要性
- 9. 通知機能の必要性
- 10. 夜間カラー撮影の必要性
- 11. 赤外線撮影の必要性
- 12. PoEの利用
- 13. 有線・無線
- 14. 録画保存期間
- 15. クラウド・録画機
- 16. 遠隔閲覧
- 17. カメラ台数
- 18. ネットワーク環境
- 19. 将来の増設予定
- 20. 保守・メンテナンス
機能名から製品を選ぶのではなく、必要な映像と運用方法から技術を選ぶことが重要です。
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